HPVとはHuman papillomavirusの頭文字をとったもので、「ヒトパピローマウイルス」のことです。
聞きなれない人も多いかもしれませんが、これも性感染症として認識されています。
ただHPVと言うのはウイルスの名前であって、疾患名ではありません。
HPVに感染することでさまざまな疾患にかかる恐れがあるとされています。
代表的な疾患
その中でも代表的な疾患が「子宮頸がん」です。
子宮頸がんはガンの一種ですが、HPVへの感染が原因となっているので性感染症の一種だとされています。
また、男性の場合は、HPVへの感染によって尖圭コンジローマを引き起こします。
尖圭コンジローマは女性でも発症し、症状としては性器にできるイボが特徴的です。
痛みなどはありませんが放置しているとイボが増殖してしまいますし、
他の人へうつしてしまうこともあるので治療が必要となります。
尖圭コンジローマの治療には塗り薬を使ったり、イボを取り除く手術をすることもあります。
また、子宮頸がんについては発症後はガン治療になりますが、
発症前にHPVの感染が分かれば事前に治療をして発症を抑えることができます。
HPVは一つのウイルスの名前ではなく、その種類は100種類以上発見されています。
それぞれ尖圭コンジローマを引き起こすもの、子宮頸がんを引き起こすものなど働きが違います。
一度でも性行為経験がある方は・・・
HPVの感染経路は、性行為をはじめとした接触行為です。
また、HPVにはたくさんの種類があるわけですが、
感染したからと言って必ずしもなんらかの疾患を発症するわけではありません。
免疫によって自然と排除されることもあります。
ただ、感染した場合も自覚症状が無い場合も多いので、
知らず知らずのうちに他の人にうつしてしまっていることもあります。
性行為を一度でも経験したことがある人は、HPVへの感染を疑った方が良いでしょう。
特に女性の場合の子宮がん検診は推奨されています。
自治体によって異なりますが、無料もしくは1,000円程度で受けられるようになっていますよ。
ただ、この検診で調べられるのは子宮頸がんと子宮体がんのみなので、
他の性感染症の感染の有無については調べられません。
性行為の経験がある場合は他の性感染症を併発していることもあるので、
検査キットなどを使ってまとめて調べてみる方が良いでしょう。
HPVは、思っているよりもずっと身近なウイルスだと言えます。
子宮頸がんに罹患する女性も増えており、
女性が感染する場合はパートナーも感染している人も多いです。
検査をする場合は二人で一緒に検査をして、
HPVに感染していないかどうかを調べるようにしましょう。